10月9日(木) 手術

いよいよ今日が手術。2時15分からだと言われた。

さて、網膜剥離の場合、その程度によって処置の方法が違う。

非常に初期の段階では、光凝固(レーザー)で治療ができる場合もあるが、私の場合それはもう無理で、手術が必要だったということである。

手術方法には大きく分けて二つ。

一つが、眼球の外側から直す方法(強膜内陥術)。私の場合はこれ。

もう一つが、眼球の内側に直接機械を入れて治す方法(硝子体手術)。これは症状が重い人が行い、二週間うつぶせ姿勢をとってガスが抜けるまで待つなど、大変な手術だそうだ。

さて、私が行う「強膜内陥術」について簡単に説明しておく。といっても渡された説明書の丸写し。

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冷凍凝固に裂孔の周囲に凍傷を作り、網膜を癒着させる。また、裂孔の部分に外側からシリコンという素材でできたバンドを縫い付ける(強膜内陥)ことで、シリコンバンドが堤防の役割を果たし、網膜剥離の再発予防となる。さらに、網膜の下に貯まった網膜下液の量が多い時には、眼球の外側に小さな穴をあけて下液を抜く(排液)場合もある。
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硝子体手術についてはここでは詳しくはふれないので、情報が必要な方は検索してみて下さい。

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子どもたちが黒板に書いてくれたものを写した写真は枕元に立てかけてある。

昨晩は思っていたよりすぐに寝られた。今日は六時に起きた。いつもより一時間半ほどゆっくりの起床。体内時計がやや狂っている。

そして手術前の処置が始まった。

まず大嫌いな点滴。水分補給や目の細い血管を強くして出血しにくくする薬を入れ続ける。手術中も細菌感染を防ぐ薬を流し込む。

目薬は二時間前から30分ごとに三本。炎症や感染を抑えたり瞳孔を拡げたりする薬だ。

手術開始は1時間以上遅れて15時半からと告げられた。前の手術が少しずつのびてずれこんでしまったようだ。

やがて同室の人が手術室へ。私はその次の次らしい。同室の人は車イスに乗って30分くらいで帰ってきた。

やがて私の番になり、驚いたのがストレッチャーに乗れと言われたこと。いわゆるテレビでよく出てくる動くベッド。しかも体を固定されて手術用のキャップもかぶせられる。同室の人と比べてずいぶんと大がかりなのですごく不安になる。

エレベーターに乗って手術室へ。そして手術台に横付けされ、そこでは自力で手術台に移るように言われる。

そしていよいよ手術。顔に右目の部分だけ開いている布をかぶせられ、右目を強引に広げられてマスイの目薬と注射。

右目全体に直接シートみたいなものを貼られたような気がする。顕微鏡で見るようなので、理科の実験のプレパラートのようなものかもしれない。

その顕微鏡の先が近づいてきてあとはまぶしいやら、気分がわるいやらで最悪な状況。痛くはないがつらいのです。

事前に手術の内容を聞かされていたので、

  棒を目の裏に入れたところだろうか?

  シリコンを縫い付けているところだろうか?

  穴をあけて水を抜いているのかな?

とイメージしてみるのですが、今、何をされているのかさっぱりわからない。

イメージ的に言うと、お皿の上に生卵を落として、それを上から箸やらなんやらでつついたりつまんだりしている。それを卵の側から感じている。それが一時間半続くという感じだ。

また、部分マスイなので、お医者さんの会話ももろに聞こえるわけで、しかも目の手術ですからすごく近くで聞こえてくる。

助手の人が「早くしろ!」と叱られると、私も一緒になって「そうだ!なにデレデレやってんだ!」と心の中で繰り返したりしていた。

最後に眼帯を貼るときには、目があいているのか、つぶっているのかわからないほど右目の感覚が麻痺していた。

そして、おそらく無意識に体を反り返らせていたのだろう。腰が疲れて、グッタリとしてしまった。

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一時間で点滴が取り外され、自由に動ける。ただ、分厚い眼帯でメガネがかけられないので行動範囲がせばめられることと、そしてやはり手術した場所がチクチク痛いので静かにしているつもり。明日にはその眼帯もはずされるとのことでびっくり。

とりかく終わって、やれやれである。