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5.子どもたちと「出会う」(3)〜仲間関係に実践の視点を〜 6.子どもたちと「出会う」(4)〜教師自身が自らを解放する〜 7.おわりに □ 塩崎義明/雑誌「生活指導」1996年11月号掲載 □ |
5.子どもたちと「出会う」(3)〜仲間関係に実践の視点を〜 今の子どもたちは仲間関係を最優先にします。何か仕事をするのでも、仲の良い友だちがやるのであればたとえ自分がやりたくない仕事でもやろうとします。 逆にやりたかった仕事でも、仲間関係において支障があれば絶対にやろうとしません。その部分を私たちはつい見落としがちです。 「やる・やらない」の結果だけで子どもたちをとらえようとしてしまいます。そんな私たちに子ども達は「事情も知らずに決めつけるな」と訴えかけているのです。 私は月末に毎月「学級地図」を作ることを自分に課しています。月末にやる理由は特にありません。出席簿を作成する時期なので、この時期に作ることを決めておけば忘れないからです。 そんなにむずかしいことではありません。ポストイットに一人ひとりの名前を書きます。男子と女子とを違う色にしたり、地区別に色を変えてみたりしたこともありました。あとは、ノートにポストイットを移動させながら友達関係を分析するのです。 まず自分で作ってみます。できあがったら、何人かの子どもたちに相談する時もあります。そして子どもたちの声を聞きながら修正します。「学級地図」を作りながら「ええっと、○○さん、最近一人ぼっちだよね」などの会話を子どもたちとしています。 仲間関係を分析すると同時に、それを豊かに広げていく実践の構想を持ちたいものです。班の独自活動、班を超えたグループの活動等々、様々な視点から子どもたちの仲間関係を豊かにしつつ、それを自治へと結びつけていくこと……そんな実践の視点を持つことこそ、子どもたちとの「出会い」があるのではないでしょうか。 |