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一人称と二人称

 

貴乃花の引退をめぐって、様々な所で、いろいろな視点から語られましたが、私が一番印象に残ったのは、曙、若乃花、貴乃花のそれぞれの「一人称が違っていた」という社説でした。

つまり、曙は「オレ」、若乃花は「ぼく」、そして貴乃花は「私」を使っていたということでした。そしてそこから、それぞれの生き様や、相撲に対する姿勢の違いがあらわれているということでした。

一人称と二人称は、そのコミュニケーションのベースになる「言葉づかい」だと考えました。そういつた意味で、今の子どもたちは、自分のことをなんと呼んでいるのかにこだわってみました。

さて、最近の子どもたちは、自分のことをどのように使っているのでしょうか?

クラス30人(千葉県6年生)に聞いてみました。

男子17名

よく使う
時々使う
使うときがある

オレ

13人

3人

ぼく

3人

6人

1人

オイラ

1人

うち

2人

1人

わし

1人

自分

1人

1人

わたくし

1人

女子13名

よく使う
時々使う
使うときがある

うち

7人

3人

わたし

4人

1人

1人

あたし

1人

ぼく

1人

オレ

2人

自分の名前で

1人

男の子は、「オレ」が圧倒的に多く、続いて「ぼく」です。授業中は、「ぼく」が多いですが、日常的には「オレ」です。

一方女子は、「うち」が多いことにびっくりしました。続いて「わたし」ですね。

そして最近、女子でも「ぼく」「オレ」を使っている子がいることに気がつきます。これはこのクラスだけでなくて、一般的に増えてきているような気がします。

一方「二人称」の方ですが、これは圧倒的に名前とニックネームが多かったです。ただし、授業中などの公的な場では、名前に「くん・さん」をつけて呼ぶようにしています。

ところが最近、若者の間で「二人称」に「自分」を使う人が増えてきました。
たとえば、「君がやったの?」を「自分がやったの?」というのです。

文章に書くと、まったく意味が違ってきますが、言葉にすると、上記の二つは同じ意味のようです。

ちなみに、私のまわりの小学生は使っていません。でも、私のまわりでは、中学生や高校生あたりがよく使っているような気がします。

テレビでは、ダウンタウンの「ハマちゃん」がよく使っています。ちょっと古いところでは、ヤスキヨ漫才の、横山やすしさんがよく使っていました。ということは、関西ではよく使うのでしょうか?

この使い方は、「自分はどうなの?」といった時には、二人称としてかろうじて使えるような気がします。つまり、「自分はどうなの?」と「あなたはどうなの?」は同じ意味として使う時がありますね。

しかし、普通の二人称に「自分」を使われてしまうと、私などはわけがわからなくなってしまうわけです。(笑)

2003/1/23

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