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実践の自由を取り戻し、子どもたちに真の自由を!

あけましておめでとうございます。

今年も、思うところを書かせていただき、新年のご挨拶に代えたいと思います。

1.今年も関係性構築の年に

昨年はこの時期に「関係崩壊から関係構築の年に!」というテーマでご挨拶させていただきました。

そこでは、
「教師と子どもたち、教師と保護者、子どもたち同士、保護者同士、親子関係、そして教師同士の関係が崩壊しています。」
とし、
「そんな中で、鬱(うつ)病などの精神疾患で平成19年度に休職した全国の公立学校の教員は、前年度より320人増の4995人にのぼりました。これで15年連続で過去最多を更新です。おそらく今年度はさらに増えていると予想されます。」
と書きました。

そして残念ながら私の予想通り、精神性疾患を発病してしまう教師は今年もさらに増え続けています。

そして、
「現場の教師が次々と倒れていく……、それが日本の教育現場の実態です。こんな実態を見ても、これは失政ではなく教師の質の問題だと言い続けるのでしょうか!?」
と書いてみました。

教育行政が、真に教師や子どもたちの側にたった改革を進めない限り、2010年も関係性の崩壊と構築が大きなテーマになることは間違いありません。

2.教師の「共同・協働」が問われる

現場の厳しさの中で、精神制疾患を抱えざるをえない仲間が増えてきています。またそこまでにいたらなくても、子どもたちや保護者のみなさんとなかなかうまくいかずに悩みを抱えている仲間がますます増えてくるでしょう。いや、自分自身がそのような立場になることも考えなければなりません。

つまりそういった困難を抱えながら私たちは学校の中でどのように共同・協働していけばよいのかということです。

まず大切なことは、教育方法に統一を持ちこまないということです。

方法の統一は、教師個々の良さを消すだけでなく、子どもたちを無視した、いらぬ気遣いとごまかしを生み出します。

教師個々が自分の良さを前面に出しながら、方法においては自由にのびのびと実践できる学校をつくっていく必要があります。

次に、自分や仲間を、できる・できないで評価しないということです。そもそも教師の仕事にこういった評価はなじまないのです。

そして、大いに雑談・対話を広げることです。一見つまらない雑談こそ、実はお互いに元気と勇気を与え合っていることを自覚する必要があります。

3.実践の自由が子ども一人ひとりの自由を取り戻す

小学校の高学年の子どもたちが荒れています。彼らは、大人・教師の何に苛立ち、どんなことに不安を感じているのでしょうか?そんなことを考えながら以下のようなことを考えてみました。

★子どもたちにとって「鼻につく教師」
1.まわりの空気(子どもたちの思い)を無視して、やたらとテンションが高い。
2.まわりに(まわりの教師や管理職に)気を遣って子どもたちを叱る。
3.うまくいかないことを子どもたちや家庭のせいにする。(におわせる)
4.すべて自分一人でやっていることをアピールする。(自分はすごいんだと)
5.うまくいかないことをかくす(強がる)。(「すてきなボク」な教師)

子どもたちは「教師の目がどこを向いているのか」をしっかりみています。そして、子どもたちは「自分(子ども)たちのために仕事をしてほしい」ことを要求しています。

子どもたちにしてみたら、教師の都合で自分たちの自由や要求がつぶされていくのは、たまらないわけです。

しかし、今の現場の中ではどの教師も上記のような問題に陥りがちです。真に子どもたちの側にたった実践を展開していくためには、今を改革していく気概と闘う姿勢が求められるのです。

教師が実践の自由を取り戻すスタンスに立てた時に初めて子どもたちが自由を取り戻す第一歩となるのだと思います。

※ここでいう「自由」とは、子どもたちのわがまま・勝手をゆるすことではありません。私は子どもたちが主人公である学校をつくりたいと思っています。そしてそのために、まずは一人ひとりの声を組織していくことを指導したいと考えています。一人ひとりの声とは、今の生活をよりよいものに変えていこうとする要求です。その要求を実現するために仲間とどのように共同・協働していけばよいのかを教えたいと思っています。つまりここでいう「自由」とは、主人公として生きるために意見を述べ、話し合い、仲間と共同・協働していく自由です。

4.教師の良心

最後に…、
今年も「教師の良心」をもって、一年間をすごしていきたいと思います。

今年もよろしくお願いいたします。

教師の良心

塩崎義明

教師の良心っていったいなんだろう?

それは、うまくいかないことをけっして子どものせいにしないこと。

それは、子どものことをけっして保護者のせいにしないこと。

常に自分の指導を振り返り、言い訳もせず、それでいて自分を責めずに仲間に支えられていることが自覚できること。

そして、うまくいかないことをけっしてかくさず、かっこもつけず、自分はすぐれた教師などとアピールしたりもしないこと。

決して名人などにはなろうとせず、そして有名にもならず、いつまでも教室で子どもたちと一緒に悩むことのできる教師でいるために……。

そんな教師としての良心をずっと持ち続けていたい。

(2010.1.1)

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