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1年間でクラスがえを! 職員室では、そろそろ来年度の異動の話や、何年生を担任するかの話でもちきりになる時期です。私の妻(小学校教諭)は、この時期になると市内の知り合いの先生同士との長電話が始まります。内容はやはり、誰がどこの学校に行きそうだとかいう異動の話と、来年度何年生を担任するかの話です。
#口の悪い息子は、「ババーネットワーク」などと言ってます。(笑い)
みなさんの学校では、担任はどのようにして決めるのでしょうか?私の学校ではまず希望を書きます。だいたい第3希望まで書いて、あとは校長先生がその希望票にそって一人ひとり面接をして決めていきます。
最近は、高学年と1年生の指導がむずかしくて、1,5,6年生の希望がなかなかいないことと、2年間続けて担任することもむずかしい状況が広がっていて、どの校長先生も頭の痛いところてす。
ちなみに、うちの学校では、子どもたちは1〜2年、3〜4年、5〜6年と持ち上がりクラスです。
さて、そんな状況の中で私は、1年間でクラス解体をしてしまった方がいいという考えを持っています。担任の交代はもちろん、子どももクラスがえをするべきだと……。いや、すでにそうならざるをえない学校が増えてきているのではないでしょうか。
しかしあいかわらずこの考えに反対の声も多いのです。つまり、教師と子どもたち、子どもたち同士も2年間かけてじっくりと人間関係を作るべきだとか、毎年変わると落ち着かないといった意見です。
1年間でクラス解体をした方がいいと思っている理由は、最近の全国の教室は、子どもも、教師も、父母のみなさんも1年間の人間関係の中で、少なからずトラブルを経験し、そこで心の傷を作ってしまっているからです。心に傷を持ったままの2年間は長すぎます。・子ども同士の関係で子どもが受ける傷
・子どもと教師の関係でそれぞれが受ける傷
・教師と父母のみなさんとの関係でそれぞれが受ける傷
・父母のみなさん同士の関係で受けてしまった傷
・学年の先生同士で作ってしまった傷。これらの関係での心の傷は、以前は簡単に修復・回復できたものですが、最近はそれぞれがずっと自分でその傷を抱えたまますごして何かの拍子に急に爆発するといった傾向を持っています。
簡単に修復できない原因は、それぞれがその傷を癒す場がないからだと思います。普通は、それぞれの別の人間関係の中で、自分が受けた傷を癒すものです。そして、別の場で癒しているうちに、その場で受けた傷なんかどうでもよくなってくるってことがよくあったし、そういったことが大切だと思うのです。
ところが最近は、そういったことがなくなってきているようです。つまり、人間関係が極端にせまく、小さくなってきているということです。特に最近の子どもは、教室以外の子どもと遊ぶ機会って、学年があがるにつれて少なくなってきているのではないでしょうか。そして教師も父母も子どもたちも、そういった傷を癒せぬまま、モンモンとしながら日常をおくっているのが現代ではないでしょうか。
しかし1年でのクラス解体は、それまで受けてきた傷をいやしつつ、あらたな人間関係を生みだしてくれるのです。確かにクラスを変えたところで根本的な解決にはならないのではないかとも思います。しかし、一つのきっかけにはなるのではないでしょうか。
それでは、クラス解体をしないで、担任だけ変わることについてはどうでしょうか。私はそういったケースも、せめて担任だけは1年間で変わるべきだと思っています。先に書いた理由の他にも、教師と子ども、父母の関係がうまくいっていたとしても、子どもたちになるべく多くの先生と出会っていろいろな視点でのものの見方を身に付けて欲しいと思っているからです。
また、担任の先生との関係がうまくいかなくなってしまった時に、もはやそれをフォローするだけの力が今の学校と地域の間に残っているとは思えないのです。もしそれができていたら、「学級崩壊」などは起こらないはずですから。
(1999/02/12/金)
PS:これらはあくまでも小学校での話です。また、複数の学級で構成された学年での話であることは、言うまでもありません。