〜小規模学校選択制度を実施するまで〜
小規模学校選択制度は、教育委員会が独自に設置した「浦安市立学校適正配置等検討委員会」の提言と、国の通学区域制度の弾力化方針を受けて実施することになったものです。ここでは、その経緯をお知らせします。
●浦安市立学校適正配置等検討委員会の報告から●
教育委員会では、市立幼稚園と小・中学校の抱える課題(大規模化や小規模化に伴う学校間の規模のアンバランス問題など)の解決に向け、平成13年に学識者・地域住民・関係諸団体・学校関係者などを委員とする「浦安市立学校適正配置等検討委員会」を設置しました。
この委員会では、「市立学校の適正規模に関すること」、「市立学校の適正配置および通学区域に関すること」、「そのほか学校適正配置などで必要と認められること」について検討を重ね、平成14年3月に報告書がまとめられました。
報告書の中では、通学区域制度の一層の弾力的な運用として、小学校では小規模特認校制、中学校では全市を対象とした学校選択制(当面、小規模特認校制)導入が、それぞれ提案されました。
小学校は小規模特認校制の導入
児童・生徒数は、元町地域では微増傾向、中町地域では減少傾向、新町地域では急増傾向にあり、この傾向は小学校で特に顕著です。そのため、学校の適正配置の面で、大きな課題になっています。
そこで、市立小学校では、現在の指定校制は維持しつつ、児童の受入可能な小学校を特認校とし、一定枠の人数を特認校以外の学校の通学区域から受け入れる小規模特認校制の導入を提案します。
中学校は全市を対象とした学校選択制・小規模特認校制の導入
市立中学校では、現在の指定校制は維持しつつ、各学校で受入可能な人数を市内全域から受け入れる学校選択制の導入を提案します。
しかし、中学校の学校規模も小学校と同様の傾向にあり、今後の状況によっては、今すぐに全市を対象とした選択制の導入が難しいことも考えられます。この場合には当面、小学校と同じく、小規模特認校制の導入を提案します。
これらの提案は、小・中学校の入学にあたり、これまでのように教育委員会が学校を指定するだけではなく、児童・生徒や保護者の学校選択の機会を拡大するように求めたものです。
●通学区域制度と国の学校選択の弾力化の方針
現在の通学区域(学校指定)制度では、児童・生徒の就学する学校は、市区町村の教育委員会が指定することになっています。その際、市区町村教育委員会は、あらかじめ各学校ごとに「通学区域」を設定し、これに基づいて学校の指定を行っています。
ほかの学校に変更できる指定校変更や、ほかの市区町村の学校に就学することができる区域外就学制度があり、実態として指定校の変更がかなり弾力的に行われています。
しかし、こうした通学区域制度に対して、平成8年の行政改革委員会は、「規制緩和の推進に関する意見」のなかで、保護者や児童・生徒の学校選択の自由度を高めていくことが、選ぶ側の意識を柔軟にし、責任感を生じさせるという考え方を示しました。また、特色ある学校づくりや公立学校の活性化にとって必要であるという考え方も示しました。その後、平成9年に、「通学区域制度の弾力的運用について」という文部省通知が出されました。そこでは、各市区町村教育委員会で地域の実情に即し、保護者の意向に十分配慮した工夫を行うことを求めています。
さらに、平成15年3月には学校教育法施行規則の一部が改正されました。改正では、「市区町村教育委員会は、就学校を指定するときは、あらかじめ保護者の意見を聴取できることを明確にし、その手続きなどを定め、公表する」、「就学校を変更するときは、その手続きなどの透明性を図るため、その要件・手続きを明確にし、公表する」という趣旨が盛り込まれました。
また、通学区域制度については、保護者の関心も高く、年々学校選択機会の拡大を求める要望が大きくなっていて、市議会でも同様の提案が数多くなされてきました。
※特認校
「浦安市立学校適正配置等検討委員会」では、現在の指定校制を維持しながら、児童・生徒の受入可能な学校を特認校(=受入可能校)と表現していました。