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とぎれる情報 いじめに関連した悲しい事件が、続いています。 そして大人たちが気がついたときには、大変なことになっていたということ ばかりです。さらには、少年犯罪を犯してしまう子どもたちも、過去にいじ められていた子が多いです。 大人たちは、それらの事件が起きてから、「どうして事前にわからなかった のか」と、ただただオロオロするばかりです。 いじめが、学校も含めた大人社会に見えにくくなっているのはどうしてでし ょうか?また、自分の子がいじめられたり、いじめたりしていることが見えにくくなっているのはどうしてでしょうか?どうしてここまでいじめが子ども社会の中に埋没して見えなくなってしまうのでしょうか。 もしかしたら今や、いじめ事件が起こっていることを知る手だては、学校からの報告しかなくなっているのではないかと思い始めています。 だとしたら、どうか近所の大人同士で情報交換をしてください。そして、どうか、他の子がいじめられている状況を自分の子から聞いたら、大人同士で連絡しあってみてください。自分の子どもとは無関係であることでホッとし ないでください。 地域みんなが関係者であり、無関係であることはありえないのです。 無関係であると大人が考えたときに、いじめの情報はそこでとぎれるのだと 思います。 すてきな井戸端会議を広げよう 地域の横のつながりが本当に弱くなっています。 残念ながら今は、地域の子どもを大人が叱れないといった状況があります。他の子を叱ったりすると、その親から苦情が来るような時代になってしまいました。 子どもが何をしていても、自分の子とは無関係であれば、見て見ぬふりをするのが当然のようになってしまいました。 もっと言えば、子どもやその親を批判することで、大人同士が結びついているといった地域さえもあります。 また、子ども同士がトラブルをおこしてしまうと、それは子ども同士の「こじれ」にとどまらず、大人同士のトラブルに発展してしまいます。 クラス替えがある季節になると学校に必ず「あの子とは同じクラスにしないでください」といった電話がたくさん来ます。 そしてそれは、子どものトラブルというよりも、子どものトラブルから大人同士のトラブルに発展してしまっている場合が多いのです。 そこでぜひ地域に、すてきな井戸端会議を復活させようではありませんか。 そして、親が育てる子どもであることはもちろんですが、地域で育てるといった視点も持とうではありませんか。 すてきな井戸端会議が復活すれば、不思議なことに自分の子どもとの対話も豊かになります。なぜなら、親が情報をたくさん得ることができるので、話題が豊富になるからです。 すてきな井戸端会議が復活すれば、地域の子を叱れるようになります。なぜなら、仲のいい親の子どもであれば、叱りやすくなるからです。また、仲のいい親の子であれば、子どもの方も自分の顔を覚えてくれるからです。 すてきな井戸端会議が復活すれば、自分の子どもにもやさしくなれます。なぜなら、同じような子育ての悩みを持つ人がたくさんいることがわかることで気持ちに余裕が持てるようになるからです。 すてきな井戸端会議は、まだまだ思いもよらない地域の教育力を生みだすはずです。 そしてすてきな井戸端会議には、時々お父さんを入れてあげてください。 そして、働くお母さんに理解をしめしてください。 不登校や非行で悩む親御さんにも、その悩みや苦しさに、理解をしめしてください。けっして、「子育ての失敗した親」みたいな目で見ないでください。 一つの家庭の悩みを地域みんなの悩みにして、一緒に悩んでみようではありませんか。 そして、そんな地域が全国に広がれば、いじめや自殺、そして親子で殺し合ってしまう事件は、もうこれ以上おきないと思うのです。 2000年8月6日(日) |