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バナナの叩き売り(1998/8/2)

 

子どもたちの「私語」に悩まされている教師が多いです。かくいう私も、そのうちの一人です。

この問題はいろいろな視点から考えられるのですが(たとえば集中する力が弱まっている子どもの問題など)、ここでは教師の「指示の仕方」と「話し方」に焦点をしぼって述べてみたいと思います。

まず教師が出す「指示」について私が常に頭に入れていることをまとめてみました。「指示」というのは、行為・行動について伝え、実際に行動させることです。

1)短く、簡潔に。
2)子どもがすぐに行動できるように具体的に。
3)一度出した指示は、変えてはならない。やむをえず変更したいときは、子どもたちの行動が一段落してからあらためて出し直す。
4)一回の指示ですべてに徹底させること。
5)子どもが動き出したら絶対に中断させない。
6)自信をもって指示を出す。
7)明るいトーンで指示を出す。

いかがでしょうか。

次に「話し方」の問題です。

先日テレビをなんとなく見ていたら、門司港のバナナの叩き売りのおじさんが話をしていました。山のようにあったバナナがなんと12分で売れてしまってビックリ!アナウンサーがどうしてこんなに売れるのかと聞いていました。すると叩き売りのおじさんは、次の3点が大切であることを言っていました。つまり…、

1)口上のわかりやすさ、おもしろさ。
2)客とのコミュニケーションを大切に。
3)自分で値段が決められることのおもしろさ。

これはそのまま教師の指導技術にあてはまるような気がするのです。つまり、

1)話の(授業の)中身のわかりやすさ、おもしろさ。
2)教師と子ども、子どもどうしのコミュニケーション(討論)があること。
3)子どもたちが主人公になるような、自主的学習活動の構築。

そして、わかりやすく、おもしろく話すために私は以下のことを留意しています。

1)まくら・さわり・おちの流れで話を組み立てる。
2)場面にあった表情で話す。
3)子どもたちの顔を見ながら、集中させながら話す。

最近では特に、3)を重視して話します。時には問いかけて意見を聞いたりして、対話的な話になることが多いです。

PS:全体の前での話し方

ウォークラリーの説明を休暇村の人が25分もかけて話してくれたのですが、申し訳ないのですが、まったく何を言っているのかわかりませんでした。子どもたちも、だんだん不安になってきたのか、下を向いてシーンとしてしまう始末……。

そこで、集団に対して的確に内容を伝えるための話し方について私が工夫していることを提起しておきましょう。

まず内容の項目がいくつあるのが、具体的な数字でナンバリングします。つまり「伝えたいことは3つです」といったようにいいます。そしてそれらの項目にラベリングします。つまり、「一つ目は〜、2つ目は〜 、3つ目は〜です」といったふうにです。そしてそれらの項目について、なるべく結論を先に言ってから、それらについての説明をするようにします。

次に、やはり集団の反応を見ながら話します。そして時々、全体にたずねるトーンで話したりもします。低学年になればなるほど、聞き方の評価を挿入していくこともあります。

最後に、常にユーモアを忘れないことです。これはやはり大切です。ただし、つまらない駄洒落は禁物です。

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