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 2003年の2学期は、市内の全学校の校門に警察官が配置されるという(午前8:00〜11:00)、とても残念な風景で終わりました。これは、ご存知のように、京都と兵庫で続けて学校に進入しての事件があり、本市でも警戒体制をしいたものです。

 本市では、大阪の池田小の事件以来、以下のような対策がなされてきました。

・校門を閉める。
・外来者は、玄関で記帳…、そして腕章や名札をつける。
・一部教師に携帯用非常ベルやホイッスルの配付。
・職員室に、警察に直通の非常ベルの設置。
・その他、緊急時の連絡体制の確認と徹底。

 まあ、ここまでは不十分だとは思いつつ、取り組みとしては理解できるのですが……、

・スプレー式警棒を、教師が使う武器として各学校に1本ずつ配付。
・教師が、サスマタを使った訓練。(一部学校)

というのは、「それは、方向性として違うだろ」と思っています。子どもを守るためとはいえ、学校に「武器」があること、そしてそれを使う前提で教師が訓練しなければならないことは、おかしいのではないかと思うわけです。

 また、警棒が一本あったところで、このような状況にあった時に、どうやって使用するのでしょうか?取りに行け、とでも言うのでしょうか?私だけでなくどの教師も、子どもが危険な状態にあったら、身をていして、素手で子どもたちを守るつもりでいるのです。スプレー式警棒の配付は「市ではこれだけのことをやっていますよ」というわざとらしいアピールに聞こえて(見えて)しまいます。

 また、学校安全マニュアルを徹底させるというのですが、たとえば校門の鍵をしめるというマニュアルがあって、それを守っていたとしても、門を乗り越えてしまったら意味がないわけで、どうもこの
マニュアルというのも、「学校ではできることはやっています」という言い訳のためのマニュアルのような気がして、本当に子どもたちを守るためのマニュアルになっていないような気がしています。

 それでは、本当にこういった事件から子どもたちを守るためにはどうしたらよいのでしょうか。

 私も一生懸命考えてみたのですが、私の頭では、校門に常駐する守衛さんをおくことしか思いつきませんでした。また本市では、ほとんどの学校には2ヶ所校門があるので、常駐する守衛さんは2人ずつ(2箇所)がいいと思います。(常駐というのは、守衛小屋みたいなものがあって、そこに常に守衛さんがいて、学校の出入りを管理するというイメージです)

 人を雇うためにはもちろんお金が必要です。しかし子どもたちの命には代えられません。堂々と国や地方自治体に予算の要求をしてもよいのではないでしょうか。

 昨今、不審者についての連絡が学校に寄せられることが多くなってきています。こういった事件を学校の責任だけにするのではなくて、一日も早く本気で子どもたちを守るための取り組みを行政は努力をしてほしいと思っています。

(2003.12.22)