もしも話「かさこじぞう」

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もしも、最後のおじぞうさん手ぬぐいをかぶせなかったら…

(Sさん)
 おじいさんは、最後のじぞうさんに手ぬぐいをかぶせないで帰りました。
 家に着きました。
 おばあさんに、
「かさこはどうしたのかね?」
と聞かれて、
「全部売れたよ」
と、うそをついてしまいました。
 その夜、おじいさんは爆睡してしまいました。
 っと、その時、ドスンドスンっと、大きな音がして、爆睡していたおじいさんまで「なんじゃ、なんじゃ」と起きてきて、おばあさんの所へ行くと……、なんと、おばあさんと、じぞう六体がプンプンしていました。
「わたしに、ウソをついたわね!」
 おばあさんは言いました。
 次に、おじぞうさんがみんな声をそろえて、
「最後のじぞうに、手ぬぐいをかぶせなかったなあー」
っと言いました。
 おじいさんはその罰に、おばあさんとじぞうさんに、かさを百個作りなさいと言われて、五十日かけて作りました。
 おじいさんは、反省したのですかね。
 さっきかぶせてあげれば、こんなことになってなかったのに。