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しおちゃんマンの1年生日記(5月編)


日から5月。今日は新しいことが4つ。
一つは、日直さんの仕事を教えました。朝来たら電気をつけて窓をあけます。黒板をきれいにするのも日直さんの仕事にしました。そして放課後、電気を消して机を整頓して黒板の日にちを変えます。徐々に仕事は増やしていく予定。

二つ目は、図書室から本を借りたこと。舞来夫(まいらいふ)の学校は、貸出はコンピューター管理。2〜3年後には、市内全部の図書館と学校の図書室がオンラインでつながる予定。
さて子どもは、初めて本を借りられるので大はしゃぎ。一斉にコンピューターの所に並んで待ちました。ところが、借りる登録をして、2〜3分後にはもう「かえす…」と言い出しました。中身をよく見ないで借りようとするので、すぐに飽きてしまうのです。長い時間や日数をかけて本を読むといった経験がまだないのですから当然ですね。

三つ目は、給食です。こんだては「お赤飯・たまごとじ・キスの天ぷら・柏餅・牛乳」でした。

四つ目は、今日から定期的に詩を読んでいく取り組みをスタートしました。最初の詩は、

『おがわのはる』  あおと かいち

あいうえおがわに はるがきた

かきくけこおりも もうとけて

さしすせそろった つくしんぼ

たちつてとんでる もんしろちょう

なにぬねのはらの ひばりのこ

はひふへほんとに うれしいな

まみむめものかげ めだかのこ

やいゆえよしのめ よけていく

らりるれろんろん うたうみず

わいうえおがわに はるがきた

一人で読んで、班で読んで、みんなで読んで、一人で読んで…。みんなリズムよく、とても上手に読めるようになりました。

しおかぜ'98
1998年5月7日(木曜日)T小学校1年4組担任:舞来夫発行 NO.20
宿題

そろそろ宿題を出します。1年生だと、10〜15分は一人で机にむかえればいいと思います。その前に私の方でも学校の授業で「家でもやってみたいなあ」といった 気持ちをもってもらうように努力いたします。あくまでも子どもの自主性を育てていきたいです。

はじめからはできないと思います。そこで、10分〜15分でいいので、横で見てあげてください。ついつい口をはさみたくなってしまいますが、かえって逆効果になってしまうことがあるので注意しましょう。

慣れてくると、一人でも座っていられるようになります。そうなってくると、声が聞こえる程度に離れていても大丈夫です。

そして夏休み前には、誰でも一人でも10〜15分、一人で机にむかうことができるようになると思います。

今週は、昨日の「しおかぜ」の横についていた詩を2〜3回読むことを宿題にしています。見ないでも言えるほど練習してみましょう。2〜3分 で終わってしまうかもしれませんが、最初なのでそれでもいいです。


日は、母の日にむけてお母さんの顔を描きました。描く前にお母さんの好きなところをたくさん発表しました。
ごはんをつくってくれる、お金をくれる?…f(^^;;

描いているときに、「お父さんの顔になっちゃった〜」と困った声をあげる子がいます。(笑)

見ると、髪形が男の人のようだったので、髪の毛をたくさん描いてごらん、と言ったら解決しました。


かき歌を流行らせています。「ぼうが一ぽんあったとさ」等々の遊びです。これは鉛筆の訓練にもなって、とってもいいですよ。楽しみながらできるし…。本も出ていたので調べていたら、
「はっぱかな はっぱじゃないよ かえるだよ」
と思っていたのですが、ここの部分が、
「おなべかな おなべじゃないよ はっぱだよはっぱじゃないよ かえるだよ」
と、「おなべ」という言葉が入っていました。
食で困っているのが、牛乳キャップを開けられない子がたくさんいることです。考えてみたら、家ではだいたいパックですよね。


11日。
●国語の時間で、「ん」の勉強をしました。子どもは「ん」の字で、上から下に書いてきて、再び上に戻る部分が離れてしまいます。「こわ〜い落とし穴を作っちゃダメだよ」と言いながら教えました。恐い穴に落ちなで書けた「ん」に花マル。子どもが「穴に落ちないでどこに行くの?」と言うので、「1回下に行ってからシュワッチ!と、上に飛んで行くんだよ」と言いました。すると子どもたちは「落ちないで、シュワッチ!」と言いながらノートに練習していました。
●図工の時間は、この連休のことを絵に描きました。描く前に土・日の様子をみんなの前で発表することにしました。ところが思い出せないと言うので、オルガンのイスをタイムマシンにして、そのイスに座って土・日に戻って思い出すことにしました。するとみんなイスのタイムマシンに乗り たくて、全員が挙手。それぞれの土日のことをたくさん話して、その後絵を描きました。とても楽しい絵が描けていました。
●土日のお休み明けの今日、もうアサガオのふた葉が出ていました。最近のアサガオは、すごいなあ。

しおかぜ'98
1998年5月12日(火曜日)T小学校1年4組担任:舞来夫発行 NO.23
家でのお仕事

 先日、宿題のところでも少し書きましたが、子どもにとって「仕事」「遊び」「学習」はその成長にとってとても大切なことだと思います。遊びと学習についてはよく言われますが、「仕事」についてはあまり語られていません。「仕事」とは家でのお手伝いやお仕事のことです。「仕事」は子どもたちに身体を通して家族の一員としての自覚を育てます。また、一緒に仕事をやることで自然な会話が成立します。もちろんそのことができるようになる「技」も子どもたちは手に入れることになります。まず簡単なことからはじめてみませんか?最初は一緒にやってみることは、宿題とおんなじです。たとえば次のような「仕事」はどうでしょうか。

 ・新聞をとってくる。
 ・食器を運ぶ。
 ・食事の前と後にテーブルをふく。
 ・窓をあける。
  エトセトラ

お気づきのように、ここでいう「仕事」とは、自分のこと以外のことです。また、毎日必ず必要なことです。「自分のこともできないのに…」と考えないで、平行してすすめてみてください。また、ついつい手を出してしまいますが、がまんすることも大切ですね。


13日はツベルクリン注射。
13:30から体育館で行われる。
子どもたちは恐いことを忘れたいのか、大騒ぎになってしまう。
やっと静かにさせて体育館に移動。

体育館では3列になって3人のお医者さんに注射をしてもらう。私のクラスは真ん中の列で注射。ところがとなりの列の他のクラスの一人の男の子が大泣き&大暴れを始めた。そしてそれが引き金になって、その列の子ばかりが、泣き始めたので押さえる担任や看護婦さんが大変であった。


中市内陸上大会があるので、その指導のために7:30出勤が続いている。ちょっと疲れ気味で、今日の朝はとってもつらかった。

朝の練習が終わり、あさがおの水やりをしている1年生をみつけたので、そばにいってみる。すると水をダボダボあげているので、
「ちょっとやりすぎじゃないかなあ…」
と言ってみると、
「だって、ジョーロに水があまっているんだもん」
と言うので、
「となりの人にあげたら?」
と言ってみると、
「やだ!もったいない!」
と言ったので、悲しい気持ちになってしまった。
もちろん、
「そんなこと言わないであげておいてね」
とは言っておいたのであるが。 


20日は、スポーツテストとしてのソフトボール投げを測定した。

ところがこのソフトボール投げ、ほとんどの子どもたちがボールを投げられない。反対の足が前に出ていたり、腕を振り上げたままどうしていいのかわからないで止まってしまう子…。10メートルを越える子はほとんどいなかった。今の子は、ボールを蹴る方が上手のようだ。

しおかぜ'98
1998年5月21日(木曜日)T学校1年4組担任:舞来夫発行 NO.31
長 音

文を書くのに子どもたちが最初につまずくのは「長音」(のばすおと)です。
まず、[あ段][い段][う段]については、のばしたときに出てくる母音をつければいいことを教えます。つまり、

<あ段の長音表記>…□に「あ」を入れる。
か□さん  さ□かす  た□ざん  な□に?  は□もにか  ま□じゃん  や□  ら□めん  わ□るど

<い段の長音表記>…□に「い」を入れる。
し□と  ち□ず  に□さん  ひ□らぎ  み□ら  り□だあ

<う段の長音表記>…□に「う」を入れる。
く□き  す□じ  つ□しん  ぬ□どる  ふ□せん  む□ど  ゆ□れい  る□む

ここまでは理解できます。しかし、問題なのは、「え段」と「お段」なのです。まず「え段」です。

え□ご  け□さつ  せ□せき  て□でん  ね□ぶる  へ□たい  め□れい  れ□てん

この□の中に何を入れたらよいかと質問すると、おそらく子どもは「え」と答えるでしょう。しかし、「え」ではないのです。つまり、

<え段では「い」をつける>
「え段」をのばす時には、「い」をつけることを教えます。つまり、
えいご  けいさつ  せいせき  ていでん  ねいぶる  へいたい  めいれい  れいてん 

となります。ところがところが、ここでこまることは、特例があることです。つまり、発音通りに書く特例があるのです。「え段」の特例は、

ねえさん  ねえ

の2例です。

<お段をのばす時は「う」をつける>
「お段」も「え段」同様、基本的には発音と違った「う」をつけます。つまり、

こうもり  そうしき  とうだい  のうみそ  ほうそう  もうふ  ようふく  ろうか

となります。ところがこのお段は、実は一番やっかいなのです。もうお気付きの通り、この[お段]には、特例が(発音通り表記するもの)が「氷(こおり)」「十(とお)」「大(おお)きい」「多(おお)い」など、20例にもおよんでいるのです。これがなかなか定着しません。そこで、つぎのような替え歌を歌って覚えます。

とおくの   おおきな   こおりのうえを  おおくの   おおかみ   とおずつ   とおった
(「大きなうた」のかえうたで)


21日の生活科で、長い自己紹介の学習をしました。その時に「父の名前は〜」「母の名前は〜」という項目を入れてみました。ところ父親の名前を知らない子どもが何人かいました。知らないというよりも、すぐに出てこなかったんでしょうね。


食の準備で、一人の男の子がクラスのフルーツポンチを少しこぼしてしまいました。そこでクラスに、

○この子の分を無しにするか。

それとも、

○みんなが半分にして少なくするか。

と聞いてみたら、2人を抜かしてみんな自分の分を少なくしていいという意見でした。今の子どもはやさしいんですねえ。


日、父親の名前がすぐに出てこない子が何人かいたので、その日に両親の名前の確認と、誕生日を聞いてくることを自主宿題にしました。宿題は31人中、23人がやってきました。一人ひとり言ってみたのですが、日にちの言い方が言えること言えない子がいたので教えました。つまり、

1日…ついたち 2日…ふつか 3日…みっか 4日…よっか

5日…いつか  6日…むいか 7日…なのか 8日…ようか

9日…ここのか 10日…とおか 20日…はつか

生活科の自己紹介の勉強からこのようにどんどんはずれてしまいます。私の授業の特徴なのですが…。f(^^;;

しおかぜ '98
1998年5月27日(水曜日)T小学校1年4組担任:舞来夫発行 NO.35
ひと文字読みから卒業しよう
ひらがなは、全員読むことができますが、文を読むとき、まだひと文字ひと文字読んでいる子がたくさんいます。音読は数をこなすことが大切です。教室では、まず私がひとかたまりの文を読み、そのあとに続いて読んでいくことを繰り返しています。それは教科書や詩です。それらの文はとっても短いので、文字と一致しなくても暗記できるほど繰り返して読ませることが大切であると思っています。
家庭で練習する場合でも、まず家の人が読んであげて、同じように繰り返すのがいいと思います。ひと文字ひと文字指を指して「この字は?」 と聞くよりも、この方がはるかに効果があります。子どもも文字をひろう読み方ではなく、スラスラと読もうとするようになるのです。
ひとつのまとまりが暗記できるほどに読めたら、たとえば鏡を使って鏡の中の自分に向かって読みます。そしてそこで自分の表情や口のあけ方を確認します。
最後に1回、家の人が聞いてあげましょう。そして、ひとことほめてあげてください。このひとことが次へのやる気を引きだします。

この学習を1日5分、集中して1週間続けると、驚くほど読みの力がつきます。試してみて下さい。


曜日から水曜日の3日間で家庭訪問を行います。授業は3校時で終わり。清掃をして給食を食べて12:30に下校。その後家庭訪問になります。地区ごとにまわりますので、その日によって人数が違います。

・月曜日… 6人。
・火曜日…11人。
・水曜日…14人。

です。移動も含めて15分しかないので、あらかじめ次のような質問項目を決めておきました。もちろんその子に応じた話題があればそれを優先します。

・登下校はどんな友だちと一緒か。
・放課後誰と遊んでいるのか。
・習い事はどんなことをしているか。
・家でのお手伝いの様子。
・体の面で心配なこと。
・兄弟関係。(ケンカの様子や力関係)
・お父さんとのコミュニケーション。
・その他


26日(火)、なんと6人の子どもが遅刻してきた。
始業時間は8:20。
まずA君が8:25に。
どうして遅刻しちゃったの?と聞いてみると「遠いから!」と当然のように答える。(笑い)そこで、「そうか、遠いんだね。遠くても遅刻しないように来るのにはどうしたらいいかなあ」と、他の子どもたちにふってみると、「早く起きればいい!」「早く家を出ればいい」と言ってくれたのでA君も納得。

次に女の子3人組が8:30に。
どうしたのか聞いてみると、何も答えないので、「家を出るのが遅かったのか、途中で寄り道しちゃったのかどっちかじゃないの?」と聞くと、違う子が「寄り道じゃなくて道草だよ」などとチャチャを入れたので思わず「ウルサイ!」と叱ってしまう。今日はなんだかイライラしている。

すると3人の女の子が「止まってた…」と言い出す。「止まって何してたの?」と聞くと、「何もしてない」と言うので、「そんなことはないでしょ。じっと3人で何もしないで立ってたの?」といじわるなことを言ってしまう。すると他の子が「おしゃべりしてたんじゃないの」と言うと、3人とも頷く。そこで「ゆっくりおしゃべりしながら学校に来たいんだね。そのためにはどうしたらいいかなあ」とみんなに聞くと、「もっと家を早く出る」「待ち合わせを早くする」と子どもたちが言い出したので、この件も納得。

最後の2人は、なんと9:00頃到着。
どうしたのか聞いてみると、一人が途中で具合が悪くなってしまって、一緒に一度家に戻ったとのこと。

これだけまとめて遅刻がある日もめずらしい。