「非行」と向き合う親たちの会は、いつでも扉を開いて、みなさんをお待ちしています。
「非行」と向き合う親たちの会は、1996年11月に発足しました。
「非行」に関しては、さまざまな子どもの問題の中でも、親や関係者の悩みは深刻なのに、なかなか支え合うこと、援助の手をさしのべることがむずかしい状況でした。
それは、「非行」行為が、たいていの場合、学校に順応しなくなっていくだけでなく、他人から後ろ指をさされるような行ないを敢えてし、場合によっては人に迷惑ををかけたり、傷つけたりすることもある、大人でいえば犯罪、あるいは犯罪的行為であるからです。
それだけに、親の「あせり」「不安」「苦しさ」は、はかりしれないものがあります。
「非行の芽を摘む」という言葉がありますが、“芽”の段階で、子どもを正す事が大事だと、親たちは、わが子の様子が変わってきたと思ったとき、「やめさせよう」「わからせよう」と必死になるのです。
しかし、親が一人で必死になればなるほど、子どもが離れ、事態はいっそう深刻な方向に進んでいく事が多いのです。
子どもが失敗すると、「親の顔が見たい」とよく言われますが、「非行」については、これまでタブー視されて、親たちは孤立し、相談する場もないのが実状です。
子どもの「非行」の問題を真剣に考えようというとき、「親の顔」だけで済まされないものがあることは、いま、誰の目にも明らかです。
「非行」と向き合う親たちの会 は、こうした親たちが本音を出して語り合い、学び合い、それを通して、子どもと子どもの「非行」に正面から向き合う勇気と力をそれぞれが手にする場です。
わが子の「非行」は、本当につらいことですが、そのつらさを共有し合い、その事実から出発して自分自身を振り返ったときに、きっと新しい何かが見えてくるのではないでしょうか。そのことが、子どもの立ち直りを支える土台として、一番大切なことだと思うのです。
そしてそれは、決して親だけのことではなく、学校の教師にもさまざまな専門職員にも、地域の大人たちにも、誰にもいえることです。
この会が、「親たち」の会であるのは、一人の子どもの問題を、一人の親の問題として閉じこめないで、関わりのあるすべての大人たちが、対等に語り学び合う場であることが必要だからです。
呼びかけ人の一人、元家裁調査官の浅川道雄さん(会・副代表)は「非行の子どもは、そこに至るまでに、それに見合うだけの傷ついた体験を必ず持っている」といいます。
この社会に無垢なまま生まれ出た子どもが、なぜ大人になる前に、激しい傷つき体験を持たなくてはならなかったのか。その子どもの苦しさも、子どもの「非行」と正面から向き合って、はじめてわかることなのだと思います。
また、子どもたちを取り込もうとする、大人の犯罪的な組織がたくさん存在している中で、子どもたちを「非行」から守ることも大切です。少年事件による被害者を出さない、それは、少年事件の加害者を作らないことでもあります。
「非行」と向き合う親たちの会は、すべての子どもたちが豊かに成長することを願って、子どもの「非行」に直面した親たちと教師、研究者などが、知恵と力と勇気を出し合って、支え合い、助け合い、学び合う会です。
現在、都内と千葉で月二回以上の例会をもっているほか、会報『あめあがり通信』の発行、公開学習会の開催、全国各地に自助グループを作る活動などのほか、「非行」体験記を公募し、これまでに『ARASHI(嵐)その時』(既刊)『絆』(2002年4月刊)の出版を行なっています。
会は、いつでも扉を開いて、みなさんの参加をお待ちしています。
(事務局長・春野すみれ)
*なお、「非行」体験の手記は、毎年末日締めで、随時募集しています。
四百字詰めで20枚以内、未発表のものに限ります。入賞作品は、パンフレットや単行本で刊行することがありますが、その場合の著作権は、主催者にあります。
発表時のペンネームは可能ですが、応募にあた?ては、本名・住所・電話・年齢・職業を必ず明記して下さい。入賞者には、一万円の図書券を贈ります。
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